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研究員

Research
研究紹介

分子から細胞、組織、個体、集団(公衆)レベルまで幅広く放射線研究を展開し、より革新的な放射線診断・治療法の開発と、より高精度な環境放射線被ばくリスクアセスメントの確立を目指します

大理石の表面

研究プロジェクト

Microscope

空間的に不均一な放射線被ばくに伴う応答

―細胞・組織レベルの探求―

環境放射線のような低線量(低線量率)放射線による被ばく条件では、空間的に不均一なエネルギー付与が生じ、組織内で放射線トラックが直接ヒットする細胞とヒットしない細胞の混在があると考えられています。

そこで我々は、量子ビーム技術や遺伝子改変動物を組み合わせて、生殖腺におけるこのような空間的に不均一な放射線被ばく後の細胞・組織レベルの応答を解明し、制御することを目指しています。

*このテーマはJST創発的研究支援事業に採択されています。

放射線被ばく後の分子間相互作用

―分子レベルの探求―

生体内における膨大な分子間相互作用・ネットワークによって生命活動は緻密に制御されています。しかしながら、生体分子が放射線被ばくによって損傷した場合、その分子間相互作用は阻害されてしまいます。

そこで我々は、細胞骨格・微小管を構成するチューブリンに着目して、放射線被ばくによって損傷したチューブリンが正常なものとどのように相互作用し、微小管としての機能を維持するのか(あるいは破綻に至るのか)を明らかにしたいと考えています。そして、放射線被ばくによる非DNA損傷の影響に関する新しい知見の創出を目指します。

Scientist in the Lab
CTスキャン機

放射線感受性の個体差

―個体レベルの探求―

近年の臨床遺伝学の成果から、個体レベルの放射線感受性に関与する遺伝子はこれまで想定されてきたよりも数多く、それぞれの変異や発現量も個人差が大きいことが徐々に判っています。しかし、そのような遺伝的多様性に基づいた個別化リスクアセスメントは依然として確立されていません。

そこで我々は、大規模バイオバンクなどのビッグデータを活用して、遺伝的背景に基づいた感受性個人差の解明を目指しています。さらに、ミトコンドリアDNAに着目し、放射線を含む環境ストレスの感受性制御技術の開発も目指しています。

​原発事故後の地域住民、除染作業員のリスクアセスメント

―公衆レベルの探求―

2011年福島第一原子力発電所事故後、被災された地域住民や除染作業員の被ばく線量の分布・実態に関する調査を行いながら、このような公衆レベルを対象とした環境放射線被ばくリスクアセスメントの高精度化に関する研究を進めています。さらに、このような研究分野に関する倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues:ELSI)についても適切に対応していきたいと考えています。

家族で散歩
研究室

その他の研究テーマ

―共同研究、産官学連携の推進―

超高線量率(FLASH)放射線治療の原理検証、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の生物学的基盤の検討、放射線被ばくに伴うDNA損傷予測モデルの開発、途上国の産業・環境衛生課題に関する調査研究、コメディカルスタッフを対象とした放射線防護教育プログラムの開発などについて、国内外の研究者と共同研究を積極的に遂行しています。

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