The 72nd Annual Meeting of the Radiation Research Society@Hawaii
10月4日から7日にかけて米国ハワイで開催された Radiation Research Society (RRS) の学術大会に参加しました。4年前と同じ会場 Hilton Waikoloa Village であったため、ちょっと懐かしさもありました。今回、私はプログラム委員ではなくポスター発表者として参加したため、全体的に気楽に過ごすことが出来ました。
目的の一つは恩師に会うことでした。
この夏にいったんリタイアされてはいるのですが、彼は名誉教授として依然として学術活動には携わっておられ、色々と私たちの研究内容についても助言を頂きました。また、留学時代の知人たちも学会に同じく参加しており、久闊を叙することができました。
海外の研究者と直接会って、交流するのは、とても大切なことであると改めて思いました。
学術的に特に印象に残ったのは、RRSと米国放射線防護・測定審議会(NCRP)とのジョイントセッションでした。
放射線防護で用いられている「直線しきい値なし(LNT)モデル」について、その先をどう考えるかという議論が真剣に交わされていました。また、SNSなどを通じて誰もが情報を発信できる時代に、放射線事故や原子力災害に伴う健康リスクについて、専門家はどのように社会に情報を届けるべきかという議論もありました。
いずれも簡単に答えが出る問題ではありませんが、こうした課題に正面から向き合い、今後の方向性を議論する姿勢には、大いに刺激を受けました。同時に、自分たちも目の前の研究を進めるだけでなく、こうした議論に加わり、貢献していかなければならないという焦りも感じました。
また、会場で日本人研究者の姿が少なかったことは、やはり気になりました。
今回は広島大学の田代教授がプログラム委員を務められ、福島県立医科大学の研究者らが登壇するセッションもありましたが、大会全体を通じて、日本からの参加が残念ながら少ないように感じられました。もっとはっきり言うと、日本のプレゼンスの低下を感じました。
おそらく日本の研究者にとっては、渡航費や滞在費など、米国の学会に参加するための経済的な負担も大きいのだと思います。それでも、RRSのコミュニティひいては世界全体に向けて、日本からもっと研究成果や問題意識を発信していかなければと思いました。
私自身も、微力ながら継続して貢献していきたいと考えています。
学会期間中には、日本人研究者のノーベル化学賞受賞という嬉しいニュースもありました。海外でこの知らせに接し、同じ日本で研究に携わる者として励まされる思いがしました。一方、その礎となった発見は1990年代のものです。研究の真価が広く認められるまでには、長い年月を要することを改めて感じます。
今から数十年後にも、世界に大きな影響を与える研究が日本から生まれ続けるために、私たちは今、何に取り組むべきなのか。
先人の成果を喜ぶとともに、自分たちの研究を一層深め、若い世代が腰を据えて挑戦できる環境を育てていくことも大切だと思います。懐かしい方々との再会を楽しむと同時に、これからの自分の研究と、その責任について考える機会となった学会でした。
(文責:福永)

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