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プロフィール

登録日: 2022年4月7日

記事 (54)

2026年5月31日2
6月を迎えて:何がために生きるのか
大阪への出張の折、大阪中之島美術館で高島野十郎の画をみました。 高島野十郎は、東京帝国大学農科大学水産学科を首席で卒業した後、独学で絵の道に入り、画壇との付き合いを避け、独身を貫いた孤高の画家です。 まさに「不娶 寡欲 画道専一」の人ですね。 写実的かつ神秘的な名画を数多く遺しましたが、生活のために売るようなことはせず、親しい方々にただ恩返しに贈っていたそうです。描くことが決して生活の手段ではなかったからでしょうか、彼が遺した絵は、ただ、美しいと思いました。 帝国大学を首席で卒業するほど優秀と目されていたにもかかわらず、晴耕雨描と呼ぶべき質素な生活を送り、金や名声など求めずにひたすら絵の道を追究したという意味では、一般的には変人の類だといわれるかもしれません。 しかし、そのある種の透徹した美しさに対して、私はたいへん感銘を受けました。 何がために生きるのか。 おそらくは高島野十郎の生涯にも様々な葛藤があったと思われますが、それでも彼は単純明快に画道専一に生き抜いたといえるでしょう。私のような欲に塗れた凡愚には、彼のようなひたむきさと潔さは到底持ちえません。だから、とても羨ましく思...

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2026年5月17日2
第63回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会(@岐阜)
5月15日から16日にかけて、JR岐阜駅前のじゅうろくプラザで開催された第63回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会・第54回放射線による制癌シンポジウムに参加しました。 私たちのグループの研究シーズである「精子形成可視化マウス」の紹介をさせて頂いたのですが、残念ながら、聴衆の反応ははっきりイマイチであり、結果としてちょっとした岐阜旅行という感じになってしまいました。ただ、情報交換会の場で、他機関の若手研究者の方々とすこし交流の時間を持てたのが救いでしょうか…。 今大会の発表内容の質は、正直、ピンキリであり、学部生の発表練習のようなものから、中堅・シニア研究者による奥深い研究の紹介まで様々でした。とはいえ、質疑応答も活発であり、いずれの発表も聴いていて面白かったです。これらの中には勉強になる点も多く、今後の自分たちの研究アプローチにも採り入れられるかもしれないと思わされることもありました。 私自身はかつて放射線治療の臨床にも携わっていましたが、昔と今ではだいぶ様相が異なっていることもあり、最近、臨床医としての感覚を忘れがちでした。今回の質疑応答、とくに臨床家の質問を聴きながら、「な...

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2026年5月5日4
5月を迎えて:世界に挑むということ
日高山脈のふもと、浦河町にある広大な牧場。 その片隅で、小柄な鹿毛馬がゆっくりと草を食べていました。 ナカヤマフェスタ――かつて世界の頂点に最も迫った日本馬です。 毎年10月にパリのロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞。 この世界一のレースには、クラシック三冠馬のディープインパクトを含む、錚々たる日本馬がこれまで挑んできました。たとえ競馬ファンでなくとも、あのディープインパクトが失格してしまったこと、暴君オルフェーヴルが2年連続で2着に終わったこと、そして1着で駆け抜けた日本馬が依然として輩出されていないことは知られています。 その凱旋門賞の栄冠にあと僅かにまで迫ったのが、2010年のナカヤマフェスタでした。 ディープインパクトやオルフェーヴルのように、クラシック三冠や有馬記念などの有名な国内G1レースを総なめにして、鳴り物入りで世界に挑戦したわけではありません。そもそも高値で売買されたわけでもなく、周囲からの期待もそれほど高くはない、目立たない競争馬だったそうです。 しかし、この小柄な馬は、宝塚歌劇団とパリが好きだったという、前年に亡くなられた馬主をまるで偲ぶかのように2010年...

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