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hisanorifukunaga

初めての博士号取得者 ~研究の系譜~

更新日:2023年11月19日

当研究室は2022年度に立ち上げられたばかりなのですが、その年度末に早速「初めての博士号取得者」が輩出されました。

2022年夏から私が指導を急遽引き継ぐことになり、主任指導教員としてはきっと至らぬ点も多々あったことと思われます。しかし、大学院保健科学院博士後期課程の谷内さんは、そんな教員の拙い指導も問題にせず、しっかりと博士論文を提出し、公聴会も切り抜けたのでした。頑張った彼女に学位(保健科学博士)が授与されるのを見て、私もたいへん嬉しかったです。しかも、保健科学院長賞にまで選ばれるとは!


かつて私が英国で博士号(PhD)を取得した時、「研究者としていつか自分も弟子を育てたい」と思ったものです。

私の師匠である Prof. Kevin Prise は、放射線科学分野において有名なGray Laboratoryの出身であり、Prof. Barry Michael や Prof. Jack Fowler から指導を受けました。いずれも放射線科学の歴史に名を残すような偉大な研究者です。Gray Laboratory は、世界最古の放射線生物学研究所といえる場所であり、放射線被ばく影響における「酸素効果の発見」をはじめ卓越した学術的知見を人類にもたらしました。今日でも Gray Laboratory の一部は、University of Oxford の一部局として、残っています。私の師匠は、Gray Laboratory の伝統の後継者の一人として、今日において放射線生物学分野で最も高名な研究者といえます。

私もそのような放射線研究者の系譜に連なる者として、母国でぜひ後進の育成に努めたいと願っていました。そして、その夢は、今回、思いがけず早く叶うことになりました。


早速、私の師匠にeメールで「あなたの弟子の弟子が日本で生まれましたよ」と伝えたら、すぐに「彼女は君がこれから育てる多くの弟子の最初だろうね」という返信がありました。そんなに多くの後進を育てられるかどうかはこれからの私の頑張り次第ですが、今後も精進したいと改めて思いました――放射線研究の伝統を次代へ伝えるために。


(文責:福永)


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