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放射線の生体影響とトリチウム処理水の調査研究〜400匹の魚たちと原子力規制人材育成〜

更新日:7月19日

2025年7月14日に茨城大学より小畑結衣博士を講師として迎えて、2025年度第6回保健科学セミナーを開催しました。

小畑博士は、2023年茨城大学大学院理工学研究科量子線科学専攻にて博士(理学)を取得され、東京大学で特任研究員を経て、2024年から現職にて茨城大学・原子力規制人材育成事業「放射線とトリチウムの知識の習熟を基盤とした原子力規制人材育成」を担当しています。これまで取り組んできた放射線生物学、放射線化学分野の基礎研究に加えて、近年、原子力産業と切り離せないトリチウム(三重水素)の健康影響に関する研究も展開している新進気鋭の研究者です。


本セミナーでは、放射線に関する基礎知識から、福島第一原子力発電所事故の経緯と現況、多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System, ALPS)処理水に含まれるトリチウムの環境動態や健康影響まで幅広い内容を講演して頂きました。とくに、近年、海洋放出されたことで話題を呼んだALPS処理水の放射能濃度や、近海の水産物のトリチウムモニタリングの方法や現状について、分かりやすく説明して頂きました。

原子力産業から生じるトリチウムを分離・除去できる技術は実用段階ではないため、トリチウムを含んだ処理水は、福島に限らず、世界中の数多くの原子力施設から海洋や河川などに日々放出されています。一部のセンセーショナルな報道の影響もあり、過剰な不安を覚えている人もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはトリチウムによる健康影響が生じる可能性はかなり低いと想定されています。

このような社会的不安を解消し、安全な環境から安心を得るにはどうすればいいのかという質疑応答も行われました。本セミナーを通じて、福島原発事故やALPS処理水に関する最新知見が共有され、貴重な学びの機会になりました。


小畑先生、ありがとうございました!


(文責:福永)


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